2004年3月 9日
えー表題は、宮脇俊三先生のパクリです。すみません。
うちの細君の実家は九州なわけですが、私の実家は秋田であります。
年末・年始の帰省は、たいがい秋田に行っておったわけですが、今年は義父の具合が悪いということで両方行くことにしました。
(正月はやっぱり雪見たいじゃないですか。神様も帰しに行かなきゃならんのです。)
が、旅費を計算してみてびっくり。
東京→九州→秋田→東京じゃ、ほとんど日本列島縦断。時期も時期だから下手な海外旅行なら2〜3回行ける金額に。
じゃー、ってんで、いろいろ安いルートを検討して、実行に移さんとしたときに、義父の具合がさらに悪くなり、細君は先に実家に(スカイマークで)飛んでいきました(結局、事無きを得ましたが)。
で、自分はというと、当初予定のルートで九州に向かいました。
ポイントは、意外と飛行機の関空−博多便が直前予約でも安かったこと。残席数も少なかったものですから、早々に押さえました。
そんなわけで、とりあえず、大阪までのルートを悩むことにしました。
安いのは高速バスですが、この時期から予約すると本来の高速バスではなく、トイレの無い貸し切りバスの代走増発便にあたってしまいそうなこと、帰省ラッシュや事故渋滞にはまって関空からの飛行機に乗り遅れたら大変、等々の理由により、鉄道を選択したわけですが、18切符で関西方面はこのあいだ通ったばかりだし、新幹線は帰省ラッシュで殺伐としてそうでやだ・・・ということで、ここは趣向をかえて、なるべく私鉄を使って大阪までってのにチャレンジしてみました。おそらく帰省ラッシュとは無縁でしょう。
金額的にも、まー、一応、なかなか安いもんでした。
さてさて、年末のドトーの進行を引きづりつつ、旅は勤務地であるところの八王子からスタート。
2003年12月30日。
まずは、京王線の始発に乗り込みます。
予想に反して、意外と混んでおりました。
やはり帰省客が多い感じなのですが、ま、みなさんどうせ東京駅から新幹線か、羽田から飛行機でしょー、つまんねぇの、と変な優越感にひたったりします。
新宿から小田急を使うわけですが、ここで中央線を使わなかったのは、なるべく私鉄を使っておきたかったからで・・・。
新宿からは、小田急のロマンスカーに乗り込む。
パソコンから予約した特等席、展望席をキープしてあります。後ろ向きだけどね。
朝日をあびつつ、疾走するロマンスカーの展望席からは、都心へと向かう電車やその電車を待つホームの人々がよく見える。この年末も年末の時期でもまだ都心に向かう人の多いこと。
途中でなにかと話題の高架複々線の区間を越えると、町田。
町田までは、青山で働いていたときに帰りによくロマンスカー乗ったっけ、と思い出す。
町田を越えてもまだまだ住宅が多いが、しばらくして、ちらっちらっと富士山の姿が見え隠れするようになると、眺望が開けてくる。
このあたりまでくると、毎日の通勤も時間こそ長くても、いい景色が楽しめてユカイかも知れない。
以前、ロマンスカーに乗ったのはいつだったっけ。
ネット予約のおかげで今回は展望席の一番前の特等席をゲットできたけど、昔は、こんな席なかなか取れなかったよなぁ・・・と感慨に耽りつつ、小田原に到着。
で・・・。
小田原駅は、キレイな橋上駅舎だった。
以前は、たぶん通り過ぎただけだし、ぜんぜん記憶に無いけども、とにかく新しくてキレイ。
ここからはしばらく私鉄が無い。
宮脇先生はバスを使ったけど、一応、先の予定がある身。
新幹線を・・・と思ったけど、さんざん時刻表を見較べていると、ふと、一本の可能性に気付く。
特急「東海」。
そう、東海道本線にもめずらしく昼行特急が残っているのだ。
JRのホームに移動し、ちょうど滑りこんできた「東海」に乗車する。
さて、喫煙の自由席は空いているかな・・・と、車内を歩いていくと、コンパートメント風に区切られた一画を発見。
ここも自由席であることを確認すると、その一区画に座った。
んー、すぱらしい。
小田原から先は、東海道本線でも相模湾を望む屈指の景勝区間を走るのだが、残念ながら、進行方向左側で私のキープした一画は右側である。
あいもかわらぬ、富士山を眺めつつ、進む。
通路を挟んで反対側の区画には、母娘2人組。幼稚園生とおぼしき女の子は、まだ着かないのーなどと言いつつも、なぜか学園天国なんか口づさんで上機嫌。
ちょっと煩いなぁと思いつつ、同じところで同じ間違いを繰り返すほほ笑ましさもあり、良い天気と良い景色でそんなに気にならない。
清水で「東海」を下車。
ここから、静岡までは、静岡鉄道がJRとつきつ、離れつで並走している。ここはこっちを使わねばなるまい。
しばし、ちびまる子ちゃんでお馴染の清水の町の渋い商店街を歩く。
まだ早い時間ということもあって、店はほとんど閉まっている。もしかしたら、もう年末年始休業に入っているのかもしれない。
ちびまる子ちゃんのブームは一段落したとみえて、色あせたポスター一枚を見かけた以外は、サッカーの街をアピールするものがほとんどであった。
商店街を抜け、大きな道に出る。
ここにも、渋い商店が並んでいた。大きな道のほうは立体交差工事真っ只中で、次にもし来ることがあったら、このへんは様変わりしているんだろうけど、渋い商店はそのままであってほしいなぁ、などと思いつつ歩くと、静岡鉄道の新清水駅に着いた。
ステンレスボディの都会的な電車が走っているが、駅はこれまた渋い。
とはいえ本数も多いし、パスネットのようなカードも導入してるしで、とても頑張っている。
こういう地方都市の私鉄が元気なのを見ると嬉しい。
静岡鉄道は、静鉄グループとして静岡地域で圧倒的な力を保持するらしい。
それは、広告を見ればわかる。
住宅街がほとんど途切れることなく、街中を走っていく電車は、ほとんど東京と変わらない。
その静鉄グループの力を象徴するかのように立派な新静岡駅に滑り込んだのであった。
JR清水駅。地方のちょっとした街の駅といった感。
商店街。こういうアーケード街が元気な街はとてもいいと思います。
メートルがあがった餡パン男。こういうおもちゃ屋さんもいいねー。
こっちは中央銀座。フルーツジュースの看板も書体がたまらんのだ。
さて、ここからは、またJRに頼らざるを得ない。
しかも苦渋の選択の新幹線なるものに頼らねばならない。
とはいえ、ここまで来ると、もはや帰省ラッシュの波にのまれることもあるまい。
新静岡を降り、地下街で迷子になりつつも、JRの静岡駅に向かった。
次なる目的地は、豊橋である。
時間ギリギリにホームへ駆け上がると、地元テレビ局が2社くらい取材に来ていた。
誰か、有名人?と思ったが、おそらく、帰省ラッシュの取材だろう。
「今日から本格的な帰省ラッシュを迎えたJR静岡駅では、土産物を手にした家族客らで混雑し、静岡駅を通過するひかり号では自由席の乗車率がXXX%で・・・」
みたいな。
残念ながら、期待外れのようで、それはこっちにとってはありがたく、ほとんど普段と変わらないんじゃないのというレベルの混雑具合の新幹線が滑り込んできて、自分も自由席に苦無く窓側の席を確保できた。
豊橋ではこの新幹線ジャンプのおかげで時間に余裕ができる。
少し、街を見て歩こうと思う。
Posted by waka at 2004年3月 9日 08:47
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小田急線のロマンスカーの古いほうは、連接車両といって、連結器の直下に車輪の台車が設置されている特殊な設計です。新型になって普通の形式(1車両に2台車)に戻ってしまいましたが、旧型の連接は連結部分自体が車輪の台車なので急カーブも安定して曲がれるというふれこみでした。