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2004年4月14日

堤義明氏、西武鉄道会長辞任

いやはや、大変なニュースが飛び込んできたもんである。
表題の通り、堤義明氏が、西武鉄道の会長を辞任することになった。
例の総会屋事件の件である。

まずは、記事の引用、読売新聞から


西武鉄道・堤義明会長、総会屋事件で引責辞任

西武鉄道の堤義明会長(69)は14日、埼玉県所沢市の本社で会見し、同社の役員らが土地取引を偽装して総会屋に資金提供していた商法違反事件の責任を取り、会長を辞任、取締役からも退くと発表した。

 同社は事件に関連して、3月22日に戸田博之社長(当時)を減俸20%(1年間)とする処分を行った後、4月8日付で戸田氏を取締役に降格したが、堤会長については、日本経団連の理事は退任したものの、社内処分は全くなされていなかった。

 同社はこの間、「当初は社長の減俸が妥当な処分と考えていたが、(社長の降格で)反省と再発防止の意図を示すことにした」(総務部)とする一方、堤会長の責任を問わないことについては「鉄道事業は社長に任せていたため」(同)と説明してきた。

 しかし、経営の全権を掌握する立場にあり、代表取締役の1人である堤会長が会見すら開かないことに対しては、「説明責任を果たしていない」(鉄道大手幹部)などの批判が高まっていた。堤会長はこうした世間の声に押される形で、会長辞任を決断したと見られる。

 堤会長は1960年に同社取締役に就任。73年から16年間にわたって社長を務め、89年1月からは代表権のある会長に就いていた。

さてさて、私はどんなスタンスのコメントをするのでしょうか?

遅いもっと早く辞任すべきだった・・・とか、税金もロクに払わない堤義明なんか辞めて当然・・・みたいなことを書くのでしょうか?

いいえ、同情的であります。

今回、説明責任を果たしてないなどと、言った鉄道大手幹部!!
お前、サラリーマンのくせに偉そうな事言ってんじゃないよ!!、と。
お前らんトコの雇われ社長とか、名前だけの老いぼれ会長と、堤義明氏は違うんだよ!!!!

と言いたいですなぁ(笑)

堤義明氏は、西武鉄道の実質的なオーナーであります。
確かに、責任はあるかもしれませんが、「鉄道事業は社長に任せていた」というのもまたちょっと眉唾もんではありますが、たぶん本当でしょう。

この人、前に西武ライオンズの森監督が優勝を逃したときに、挨拶に来た森氏に「(来年も監督を)やりたいんならどうぞ」と言って大バッシング受けたりしたんですが、あれは、堤氏の任せるといったら、任せる。監督のクビを切るのはオーナーではなく、現場の判断であり、当時の現場のトップである森氏に対しては、「私がとやかくあなたの進退を云々しません。監督が続けたいと思うならその判断を尊重しますんで、続けたいのなら頑張ってちょー」くらいのニュアンスだったんですよね。

堤氏については詳しく研究している人がいましたので、こちらもどうぞ
お父さんの研究はこっちで、お兄さんの研究はこっちです。

私は、ダイエーの中内さんが追われたときも非常に同情的でした。

曰く「経営危機に陥ったのは、中内氏のワンマン体制が元凶だ!!」「リストラされる社員の事も考えて会長は身を引け」だの、「個人の資産でダイエーの借金を補てんしろ」だの・・・
バカか、と。
いや、本当に。

中内氏がいたからこそ、ダイエーがあるのであり、ワンマン体制でここまで大きくなったのだ。
結局、つぶれたところで、プラスマイナスゼロなのである。
確かに社員の努力も評価されてしかるべきだけど、マスコミは一旦、こういうことになると「中内=悪」といった報道になってしまう。

苦労して、会社を立ち上げた中内氏は、一歩間違えれば大借金背負って、首括る中小企業の社長みたいになっていたかもしれないのである。
そんな責任とリスクを背負って、経済界に漕ぎ出した人を、たいしたリスクも追わないサラリーマン風情が批判するのはオコガマシイとは思わないかね?

堤義明氏は、確かにジュニアなので、創業の苦労は少なかったかもしれないけれど、その指導力、行動力で西武を引っ張ってきた人なのだ。
安易に失脚させられるとは・・・本人も無念だろうし、社員もいたたまれない気持ちだろうと察します。

社員諸氏におかれましては、これからいっそう奮闘し、二度とこういう事態を起こさないように気をつけてもらいたい。

念のため、総会屋への利益供与は悪くないって言ってませんからね(笑)
堤氏は一ミリも悪くないってことでも無いですからね。
悪いものは悪いですから!!!!

いや、とにかくですねー、マスコミもそうなんですが、こういう起業家やオーナー社長で頑張っている人に冷たすぎます。
なにやってもいいってこたぁないですけども、やっぱ違うんですよ。
自分の一生を本当に会社にかけている人たちは。
転職なんてありえないですし、ヘッドハンティングもありえない人たちなんです。
そのへん、ちゃんと評価してやって欲しいなぁ。

ま、でも、西武鉄道の実質的な親会社の会長には留まるので、あまり変化ないんでしょうけど(笑)
それでこそ、オーナー社長である。
オーナー社長がすごい経済を引っ張ってるって話、日経ビジネスで読んだっけ。

頑張って頂きたい。(義明氏の長男も頑張れ!! ついでに森ビルの森さんも頑張って!!!)

 
Posted by waka at 2004年4月14日 13:29
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- 経営者の責任の重さとは [経済オンチ、日経を読む]

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- 五島慶太 [トラックバックジャパン]

コメント

トラックバックありがとうございます。
この件、義明氏が西武鉄道会長を辞任しても
実質的には何も変わらないのではないかなと
思うのです。コクドの会長は辞任しないし、
コクドのオーナーであることにも変わりないしね。
影響力は維持できるんじゃないですか?

最近の日本の経済界は、どうかしてますよ!
ダイエーの中内氏にしても、西武の堤氏にしても、戦後の物がない時代を知ってる人だからこそ、おそらく「自分がこれからの豊かな時代にしていくんだ」というような意気込みだったから、ワンマン経営になったのではないか?!
そこで、でてくるのが{本当にワンマン体制は崩壊を迎えるのか}というような考えではないだろうか?!
現に中内氏・堤氏は強力なワンマンでるから日本有数の大企業に自分の会社を拡大できた。
ただ、彼らがたった一つだけ間違えた事は「自らの往生際を間違えた」ということだ。
       ダイエー 創業者 中内功氏(功は力ではなく刀)
創業当時から中内氏の父・弟たちと経営してきた。普通考えるのは、社長に功氏・専務・常務に弟2人・そして、世襲を目的として
潤氏を取締役に抜擢すべきだろう。しかし、彼は戦時中フィリピンで極度の人間不信に陥ったらしく、なんと血で血を分けた弟たち
を追放した。彼は兄弟の縁を切るかもしれない事してまで事業へとひた走ったのだった。そして彼の周りには誰も拡大路線を警告できるものはいなくなったのだ。もし、弟らが取締役に残ってたら今日の天文学的な借金もできなっただろうし、全盛期5兆円という驚異的な売上もなかっただろう・・・
グループ企業150社以上、グループ総従業員10万人、ダイエー
単体店舗数・最盛期360数店舗という小売業最大グループができたのだ。
くしくもダイエーが三越から小売業売上高NO1を奪い去ってから
28年後の2000年の中間決算の席で、ダイエー創業者であり、
日本国民に「スーパーマーケット」という存在を認知させた日本のスーパー業界の事実上の創業者の中内功氏が流通業界から引退した。
私の個人的な意見だが、今回の西武鉄道オーナー堤氏の引責辞任のときもマスコミは、「責任のがれ」だの揶揄した。本当に彼らはう「責任のがれ」したのだろうか?
中内氏も世間から自分の会社の経営権を剥奪された。
日本という国において、経営者は会社が経営悪化したとき、「辞任」することが「責任を取る」ということで認知されてるみたいだが、本当に「責任を取る」ということは再建も自分が命掛けてすべきではないか?それこそ、退任すれば世間体には「経営陣一新」
「脱・中内」「脱・堤」という風に見えるが、実際の再建を任された時期社長が100%再建できるというわけではない。
私としては、早い時期に中内氏には潤氏に経営権を渡して、今まで一生懸命働いた分ゆっくりしてほしかったのだが・・・・
中内氏、彼は少し働きすぎた為往生際が悪かったように見える。

その通り。サラリーマン社長が偉そうに発言するのはおかしいと思います。サラリーマン社長が引責辞任するのは楽ですよね。オーナー社長はそうはいかない。ヨーカドーの創業者が日経の私の履歴書で、会社が相当の規模になるまで借入金は全て個人保証させられていたと書いていました。サラリーマン社長にはこのプレッシャーは分からないでしょうね。

記事へのコメントじゃありませんが、写真を見ると随分お痩せになりましたね。かつての迫力がないように見えますが、気のせいでしょうか?

長年の西武フアンとして、また伊豆箱根社長の芹沢君の同級生として今回の1リーグ性問題については心から支持しネット上で意見を述べてきましたが利権にしがみつくセリーグの後押しの選手会および傀儡のライブドアの横槍で挫折して残念です。
いつの日か日本プロ野球にとり後悔する日が必ずくると信じます。
 それに今回の会長の役職返上残念です。
日本シリーズはこれで優勝が見えてきました。先ずはご自愛を。

長年の西武フアンとして、また伊豆箱根社長の芹沢君の同級生として今回の1リーグ性問題については心から支持しネット上で意見を述べてきましたが利権にしがみつくセリーグの後押しの選手会および傀儡のライブドアの横槍で挫折して残念です。
いつの日か日本プロ野球にとり後悔する日が必ずくると信じます。
 それに今回の会長の役職返上残念です。
日本シリーズはこれで優勝が見えてきました。先ずはご自愛を。

私は、昭和40年代の人間ですから、戦後日本経済について、知っていることは少ない人間です。
ですが、戦後の日本経済を立て直してきた方々、酷い戦争や戦後の日本を目の当たりにしてきた
有名無名問わず多くの方々の本をそれなりに読んできました。
有名な方の本、数冊ではありますが、松下幸之助氏、井深大氏、堤康次郎氏、五島慶太氏、本田宗一郎氏、・・・・。
財閥とは違い、本当に一から、世界の企業や日本を代表する企業にしてきた人々です。
ソニーやナショナル、ホンダは、創業者が亡くなっても会社として立派に存続し、それは素晴らしいことだと思います。

ただ、今、堤義明氏について、悪い事は悪いことだと思いますが、マスコミはじめ内部関係者、
外部関係者の方々が、こういう状態になって、急に”正義旗”を振りかざして非難号々というのも、
見ていて不愉快です。力のある時は摺りよって、こうなったら、「ほら、見た事か」とでも言うように非難。まったく単純。
この平和ボケしている現在の日本で育った人間は、”偉大”という人間を創出することなど
出来ないかもしれませんね。
こうやって、貴重な人物が社会から消えていくのかと思うと、申し訳ないような気さえします。
そして、これからの日本に不安も・・・。

田中角栄氏は、日本のために功績をたくさん遺したと思います。
逮捕されたからといって、全てが悪かったわけではありません。
悪い事は、しない方がいいとは思いますけど。

せめて、堤義明氏には、この問題が治まったら、晩年を穏やかに過ごして頂きたいと思います。
たくさんの社員の方々、そのご家族を路頭に迷わさないようにするために、
オーナーとしてずっと神経を遣ってきたのだと思いますから。
守り続けるというのは、本当にシンドイ事だと思います。

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